高速道路の安全・安心を支える ~高速道路のホームドクター~

今回のメンバー

  • 坂上 慶
    新潟道路事務所 保全課 係長

  • 小泉 和
    土木事業部 土木保全部 保全点検一課 課長代理

社員の所属・記事内容は、記事公開日当時のものです。

県内430キロメートルの高速道路を守る

昭和53年(1978年)の北陸自動車道開通に始まる新潟県の高速道路の歴史は、すでに40年を迎えました。その期間、凍結防止剤や海風に含まれる「塩」などの要因が道路構造物の経年劣化を加速させ、今、高速道路の補修や修繕が喫緊の課題となっています。

人間が健康診断を受け、健康を維持するように、道路を点検し、保全・補修を行って安全を保っているのが、私たちネクスコ・エンジニアリング新潟です。技術力と蓄積したデータを駆使し、新潟県内430キロメートルの高速道路のホームドクターとして、安全で安心な走行空間を保つことに力を注いでいます。

これからも新しい技術を追求し、継承して、次世代の安全・安心にも寄与する――それが高速道路のホームドクターとしての私たちの使命です。

高速道路のホームドクターが担う役割

当社のホームドクターの仕事は土木職と施設職(電気・通信・機械)の大きく2つに分かれます。

①土木の仕事

対象は、トンネルや橋梁、舗装、のり面などの高速道路上のすべての構造物。
業務内容は次の5点です。
点検により構想物の老朽化を見抜く「詳細点検」、高速道路や休憩エリアにやすらぎのある緑を管理する「植裁管理」、道路構造物の劣化状況の調査・分析・修繕計画の立案を行う「土木調査・設計」、工事現場の施工管理や工事を発注するために必要な図面、資料の作成、整理等を行う「土木施工管理」、高速道路に関する各種データのマネジメント、支援システムの運用を行う「情報管理」

②施設の仕事

対象は、高速道路上のあらゆる電気・通信・機械設備。
業務内容は次の6点です。
電気・通信・機械設備の点検、道路施設内で利用される水質の点検を行う「施設保全管理」、さまざまな設備機器が確実に機能しているか24時間365日監視する「制御管理」、電気・通信・機械のさまざまな運用方法を考えながら設計・調査・検討業務を行う「施設調査・設計」、工事現場の施工管理や工事を発注するために必要な図面、資料の作成、整理等を行う「施設施工管理」、各種設備の更新・補修、不具合のあるさまざまな設備の復旧を行う「保全工事」、高速道路の施設資産データの整理及び資産確認を行う「情報管理」

これらの業務で高速道路の「健康」状態をいつでも把握し続けています。

安全・安心に立ちはだかる壁

コンクリート構造物の劣化の最大要因は「塩」。新潟県では、凍結防止剤に含まれる塩化物イオンがコンクリート内部の鋼材を腐食させ、修復が必要になるケースが多発しています。点検した年が小雪で凍結防止剤使用が少なかったとしても、それまでに蓄積した塩化物イオンがあるので、それを踏まえた総合的な判断が必要です。

さらに、「塩」がもたらされた原因にも注目する必要があります。たとえば湯沢町なら凍結防止剤が、沿岸部なら海風による飛来塩分が主な原因です。補修時に予防的措置を行う際は、原因に応じて、工法や適応範囲、または使用するコンクリートなどの材料を適応させる必要があります。「目の前の状況だけで判断しない」姿勢で壁を乗り越えています。

あらゆる「想定外」を、「想定内」に

点検や調査は形として残るものではありません。他の人の目には触れない、地道な作業が続きます。しかし、こうした作業が補修や改修工事のスタートラインとなり、未来の安全・安心につながるのです。不調のわずかな兆しを逃さず、すぐに適切な対応を取り、高速道路の「健康」を守り、長寿命化を図る。それがホームドクターとしての目標です。

安全・安心を担保するために、アンテナを張って最新の情報を収集し、知識や経験を積み、あらゆる想定外を事前に想定内にできるよう努めていきます。

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